山ふところの宿みやま(鳴子温泉郷)★紅葉終わりかけ編

本当は桜の季節に来たかったみやまさんに、半年遅れでようやくやってこれた。
午後2時半過ぎ、のどかな無人駅の川渡温泉駅に降り立つと、すでに館主の板垣さんが迎えに来て下さっていた。
この日は気持ちのいい秋晴れ。でも紅葉は既に終わりかけなのだそう。

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車に乗り込むと、あっという間に宿に到着して、部屋に案内される。
過去に泊まったのは湯治用のリーズナブルな部屋だったけど、今回はついに念願の別館に泊まるのだ!
別館の各部屋には野鳥の名前がつけられていて、私に割り当てられたのはヤマセミの部屋。大好きな鳥なので、テンションUP♪
余計なものが一切ないスッキリした部屋は、1人には贅沢すぎる広々感。
大きな窓の外には自然のままの林が広がっている。

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トイレも洗面台もスッキリ。
館内には木がふんだんに使われていて、全体的にベージュ~モスグリーン系で色調が統一されている心落ち着く空間。(この木材は金山杉という高級なものらしい)

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まずはお菓子とお茶でひと休みしてから、いそいそとお風呂へ。。。
部屋には金庫がなかったが、お風呂の脱衣場にミニ金庫がついているので安心。
脱衣場にはありがちな注意書きが一切なく、成分分析表だけが堂々と掲げられている。この別館には、無駄なものは何もないが必要なものはちゃんとある、というミニマリズムが貫かれている気がする。
だから、どこにいてもスッキリした清潔感が漂っていて心地よい。

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みやまさんのお風呂は、こぢんまりした内湯が1ヶ所のみ。
ドアを開けて浴室に足を踏み入れた瞬間、ふわっと木の香りに包まれる。
露天はないけれど、この内湯があまりに気持ちいいので、もうこれだけで大満足💛
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泉質としては「単純温泉」なのだけれど、ほうじ茶のような濃い色をした独特のお湯で、匂いや刺激は全くない。弱アルカリであるものの、とろみもなく、どちらかと言えば肌がキュッとなる感じの感触。そして後からスベスベになる。
消毒なしのかけ流しで、浴槽に身を沈めると、ザバーとお湯が外に流れ出す。
源泉が37℃前後と低めなので加温されていて、ぬるすぎず熱すぎず、夢心地になる心地よさ。あぁ、毎日このお湯に浸かりたい。。。
※お湯がほうじ茶色で足元が見えにくいので、段差には注意。

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お風呂の後、素敵なラウンジで雑誌を読みながらくつろいでいると、板垣さんがさりげなくクラシック音楽をかけて下さった。
板垣さんはしじゅう館内をパトロールして、お客が困っていないか目を配られている模様。このサービス精神には頭が下がる。
ちなみにラウンジのすぐそばにはストックルームのような小部屋があり、そこの冷蔵庫にモノを入れさせてもらえる。(部屋には冷蔵庫がない)

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夕食は18:30スタート。
みやまさんは1日に2~3組のお客しか受け入れないらしく、たぶん客室の半分くらいは空いている。その空いた部屋を食事処として使うシステムで、今回の滞在中、私の専用食事処はずっとホオジロの部屋だった。
まずは山菜料理から。手前の食前酒はブルーベリー酒。

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続いて、岩魚のみじん粉揚と鯉のあらい。
みじん粉というのはコーンスターチのようなものだそうで、カリッと揚がった岩魚は頭から丸ごといただける。酢味噌をつける鯉のあらいは大好きな料理💛
次に出てきた「飛龍頭」という1品は初めて。がんもどきのような味わいで、さっぱりしている。どれも美味しい。。。
この他に、かぶら蒸と鶏まんじゅう、大きな丸い麩が入ったお吸物、じゃこと大葉のおにぎりが出て、デザートはりんごの赤ワイン煮だった。盛りだくさん!

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部屋に戻ってゴロゴロした後、お腹がこなれた頃合いを見計らって夜のお風呂へ。(夜は23:30まで入浴可能)

* * * * * * * * * 就 寝 * * * * * * * * * 

翌朝は8時から朝ごはん。
ご飯がすごく立派なおひつ(?)に入っている! その下に敷かれた畳の鍋敷きみたいのも可愛い。
農業も営んでいるみやまさんが手づから育てられたササニシキは絶品の美味しさ💛
パリパリした紫蘇巻きとご飯が相性抜群で、普段はコシヒカリ派だけど、ササニシキもいいな~と思う。

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部屋に帰って窓の外を眺めながらくつろいでいると、カケスがやってきて地面に降りた。おぉ、と思ってよく見ようと立ち上がったら、すぐに逃げられてしまった。。。
でも、外の林に居ついているらしく、時々ジェイジェイ鳴いてる声がする。

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みやまさんの敷地内にはカリンの木があり、この時期たわわに実をつけている。(去年はあまりならなかったそうなので、当たり年とハズレ年があるのかも)
お願いして、おみやげに実を2つ採らせていただいた。10個でも20個でも持ってって、と言われたけど、そんなにさばけないので2つだけ(笑)
これで帰ってからカリン酒を漬けるという楽しみができたぞ!

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この日は天気がイマイチで小雨が降っていたけど、せっかくなので鳥見散歩へ。
外に出て改めてみやまさんの外観を見てみると、玄関がある本館は普通の住宅のような趣で、実際本館の部屋に泊まった時は、宿というより親戚の家に居候させていただいているようなアットホーム感だった。
今回泊まっている別館は右手の方にあるのだけれど、外からはあまり見えない。

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田んぼの間の道をのんびり歩いていくと、天気は悪いけど意外と鳥たちがいた。
セグロセキレイのような見た目だけどヴィーヴィー鳴いていてちょっと違うような鳥と、薄めの茶色の大きな猛禽を見たが、残念ながら誰だか分からない。

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こんな天気なので早めに切り上げて宿に戻り、午後のお風呂へ。
今日もひとり貸切状態で、静けさの中ぼーっとお湯に浸かる幸せな時間。。。
温泉に洗われ続けた浴槽のへりの木が黒檀のような色になり、表面がすべすべな感じがすごくいい。

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この日はお昼を抜いてしまったので、夕ごはんが待ち遠しかった。
2日目の献立はマガレイの焼魚、なめこおろし、おでんからスタート。食前酒は梅酒。
空のグラスも用意されていて、自分で飲み物を持ち込んでOKらしいので、次回は古川駅のお土産売場で日本酒など買ってくるのもいいかも。
おでんには練り物ではなく、豚の角煮が入っている。ほろほろに煮えていて美味しい。
続いて、海鮮サラダと「空也蒸」←茶碗蒸しの中にお豆腐が入っている。
海鮮サラダはピリ辛ドレッシング味。タコのお刺身が柔らかで絶品。

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ちょっとビックリしたのが「大根餅」。
飲茶で出てくるようなのをイメージしていたら全く別物だった。
とろけるような食感のお餅で、表面がシャリっとする感じの甘辛味。
そして海苔が絶妙なコンビネーションで、感動の美味しさ💛
作り方を伺ったら、白玉粉大根おろしを混ぜ合わせて、ごま油で焼くのだそう。材料も作り方もシンプルな感じだけど、自分でも作れるかな?

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最後に春巻とおむすび、お吸物、フルーツ。
春巻はチーズとハムが入っていて、ちょっと洋風。
連泊しても全て1日目とは違うメニューを用意して下さり、ありがたい。
昼抜きだったのに、ものすごく満腹になった。ご馳走さまでした!

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満腹すぎたので部屋に戻ってから腹ごなしに時間がかかり、23時近くにようやくお風呂に行けた。

* * * * * * * * * 就 寝 * * * * * * * * * 

最終日は起きたらまずお風呂に入り、スッキリした気分で朝ごはんをいただく。
焼魚の隣にあるのは栗きんとん♪

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和朝食の後にコーヒーが出てくるのが嬉しい。
そして、このコーヒーを持ってきて下さる際に今日の予定を聞かれ、送迎をお願いできるのが何ともありがたい。
1人をわざわざ送ってもらうのも悪いな…と思ったりするのだけれど、みやまさんはそういう気おくれを感じさせない明るさで対応してくださるので、結局帰りも鳴子御殿湯駅まで送っていただくことに。

次回こそ桜の季節に来るべし!という思いを新たにして帰途についた。
部屋にお散歩マップがあったので、あれを片手に花見&鳥見散歩をしたいな~。
天気が良ければ鳴子御殿湯駅まで歩いても良さそうなので、鳴子温泉方面まで足を延ばすのもアリかも、と早くも次の計画がふくらむ♪

=Memo=
1泊2食つき 19,800 yen(別館)
夕食@個室、朝食@個室
Check in 15:00/out 11:00
温泉:単純温泉(pH7.8)