ホテルハーヴェスト那須

先月うっかり左足首を痛めてしまい、びっこを引き引き近所のスーパーまで買い物に行くのがやっとな生活が続いていた。
この足首を癒すためにも温泉に行きたい。でも、なるべく歩かないで済むところがいいと思い、新幹線の駅から送迎バスで簡単にアクセスできるリゾートホテルを予約した。館内ではエレベーター移動だから階段の上り下りもないし、完璧♪と楽しみにしていたら、よりによって出発当日に台風が関東を直撃する運びとなった💧
なんでこうなるかね...とムッツリした気分で天気予報を眺めつつ、どうしたものか頭を悩ませる。でも、いまさらキャンセルしたら大損こいてしまうし、東海道新幹線が計画運休しないところをみると、きっと東北新幹線も走ってくれるだろうと期待して、予定通り出かける方針で荷造りをした。
当日の朝、運行情報をチェックすると、やはり東北新幹線は平常運行している。よし!と長傘をさしてザーザー降りの中を出発し、余裕を持って早めの新幹線に乗ると、意外と何事もなく定刻通り那須塩原駅に到着した。送迎バスが来るまで1時間待たなければならないけど、新幹線が遅れてバスに間に合わない💦となるより全然マシなので、待合室でアイスクリームを食べつつノンビリと過ごした。
さて、そろそろ時間だなという頃に駅前ロータリーに出ると、すごい暴風が吹き荒れている。いくつものホテルの送迎バスが止まっている中、ハーヴェスト那須のバスを見つけて乗せて頂くと、私が一番乗りだった。運転手さんが「今日は9名の方が乗られます」と言うのでちょっと驚く。世の中意外と物好きな人が多い。

道路が空いていたからか、30分くらいでホテルに到着した。
ハーヴェスト那須は広い敷地内にあって、ホテルの建物は池や木々に囲まれている。

ちょっと複雑な構造の建物で、チェックインの際に移動経路をこまごまと説明して頂いたのだけれど、眠気に襲われていたせいもあってイマイチ理解できないまま部屋へ向かう。でも、館内の要所要所に道しるべ(↓)があるので、それに沿っていけば迷うことはなかった。

エレベーターを乗り継いで上がったり下がったりしながら、自分の部屋に辿り着いた。
こんな天気の日で比較的空いていたからか、広めのお部屋を割り当てて下さったとは聞いていたけれど、ドアを開けてみて予想外の広さに眠気が吹っ飛んだ。

庭が眺められるソファエリアがすごく良い雰囲気✨
ソファとは別にテーブルと椅子もあって、物を置く場所がたくさんある。バルコニーに出ることもできて、久々のリゾート気分にテンションが上がる。
ソファに座ってみると居心地抜群で、気分は王侯貴族♪

テーブルの上にはチーズ煎餅が用意されていた。しょっぱい系のオヤツを買ってきていなかったので嬉しい♪

スパ棟に行く時用の作務衣とスリッパもあって、このスリッパは脱げにくくて歩きやすい優れものだった。お子様用のちっちゃいサイズもある。かわいい💛
(ここはちゃんとしたホテルなので、この姿でフロント周りをうろつかないよう気をつけなければ...)

まずは電気ケトルでお湯を沸かして緑茶を淹れ、チーズ煎餅を頂きながらひと休みした。部屋には緑茶のティーバッグしかなかったから、自分でドリップコーヒーなど持参するのも良いかも。

今回予約した<おひとりさま専用>プランには特典のプレゼントもついていて、チェックインの際に引換券を渡されたので、それを持って売店に行ってみた。
店員さんに引換券を見せると、「この中から選んでください」と4つのキットを持ってこられ、いちごみるく飴欲しさにこのキット(↓)を頂いた。ちょっと嬉しいサービスで、東急のホスピタリティに感心する。

さて、それでは温泉に行ってみよう♪
スパ棟の入口から温泉へと続く廊下には東急ハーヴェストクラブの蝶のデザインの灯りが連なっていて、素敵な雰囲気。

大型ホテルなので、大浴場は脱衣所も洗い場も広々していた。シンプルな四角い湯舟には茶褐色の濁り湯が満たされている。こういうタイプのお湯だと思っていなかったので、予想外の驚きがあって嬉しくなる。(常に他のお客さんがいるお風呂なので、写真は撮れず...)
浸かってみると程良い温度で、かなりのトロミ感があった。pH7.3の中性のお湯なので、このトロミは何かの成分によるものなんだろうなと思いつつ、のぼせにくいのでじっくりと湯浴みを楽しんだ。
露天にも入ってみると、台風の暴風で飛んできた落ち葉がたくさん浮いていた(笑)
お風呂から上がった後、脱衣所にあった掲示を確認すると、内湯は加水のみありのかけ流しで、露天は加水・加温・循環・消毒全部ありだった。
ホテルの敷地内から汲み上げているという源泉は「黄褐色透明」と書かれているので、時間が経つと濁るんだろうな。私の目には黄褐色というより茶褐色に見えたけれど、それも汲んですぐは黄色っぽいのかもしれない。

部屋に戻る途中、スパ棟を出てすぐのところにライブラリーがあるのを発見した。

居心地は良さそうだけど、本の数は少なめだったので、チラ見しただけで部屋に戻った。
のぼせにくい温泉の割にぬくどまり効果はかなり高く、部屋に戻ってからもじんわりと汗が止まらなかったので、しばらく冷房を入れてしまった。

夕方になってだんだん外が暗くなってくると、庭の木々がライトアップされてムーディーな雰囲気に✨
今回は朝食のみのプランなので、夕食は部屋でサクッとおいなりさんを食べて済ませる。館内に電子レンジがあるけれど、おいなりさんは油揚げのラップ効果でご飯がパサつかないので、このままで美味しい♪

大浴場は24時に閉まるので、ひと眠りした後、23時過ぎに再び浸かりに行った。スパ棟は夜中でも煌々と明るくて、いつもとは一味違う気分。でも、他のお客さんは2、3人くらいで空いていた。
トロミの強いお湯は肌に優しく、連泊して繰り返し浸かっても良さそうな感じ。浸かっている時は肌にトロミがまとわりつくので、あまりツルツル感はないけれど、お湯から上がって乾いた後はスベスベになる。
脱衣所にあるドライヤーはReFaのもので、初めて使ってみたけれど、軽いし温風が熱すぎないのにすぐ乾いて、やっぱり高級品は違うな~と感心。ドライヤーには全くこだわりがない人間なのに、思わず欲しくなってしまった。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + + 

目覚めると外は曇り空で、台風一過の青空とはならなかった。でも暴風はやんで、時折日がさしている。
朝の湯浴みを楽しんだ後、朝食のビュッフェ会場へ。
和食系も色々なメニューが揃っているけれど、今日は洋食の気分♪

その場で作ってくれるオムレツが嬉しい。パンは小さめサイズなので、色々食べられるのが良い。(それでも全種類は制覇できず...)
あっさり味のポトフがしみじみ美味しい。朝食にポトフって幸せな気分になるなぁ...帰ったらポトフを作ろう。
栃木県はとにかく苺推しなのか、サラダのドレッシングにも苺味があった。

珍しいので苺味をかけてみると、かなり甘味が強い。レタスや人参には良いけれど、海藻との相性はイマイチかな?
自家製豆腐はどうしても食べたくて、1品だけ和食が紛れ込んだ。
デザートにも苺ゼリーがあったので、いそいそとお盆に載せる。

透明な薄紅色のゼリーに苺のピュレがかかっていて、美味しい💛
他にも色々気になるものがあったけれど、定番のヨーグルトと果物を食べたらすっかり満腹になってしまった。

朝食の後は、少しだけ庭を散歩してみた。今回は極力歩かないつもりだったのだけれど、このくらいは良かろう。

どこかの水辺でカエルが鳴き、シジュウカラが元気に囀っている。高原の空気がいい匂い✨
気持ちのよい庭なのでベンチがあればいいのになと思いつつ、ひとしきり歩き回って部屋に戻った。(足湯があったので、そこで寛げばよかったのかも)

今回のプランはチェックアウトが12時までという特典つきだったのだけれど、12時までいると帰りの送迎バスは13:45の便となり、ちょっと時間を持て余す。足がこんなでなければ近隣を散歩したかったけど、今回は無理せず11時のバスで帰ることにした。

チェックアウトを済ませて外に出ると、あちこちでホトトギスが鳴いている。都心では聴くことができない初夏の野鳥の声に嬉しく耳を傾けながら、送迎バスに乗り込んだ。
たまにはこういう王道のリゾートも気分が変わって楽しい。またいつかお得に泊まれるチャンスを見つけて泊まりに来よう。

=Memo=
1泊朝食つき 15,678 yen(¥22,000のところ一休セール価格で¥6,322引き)
朝食@会場
Check in 15:00/out 12:00
温泉:ナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩温泉(pH7.3)

宝寿の湯(小野川温泉)

あまり有名ではないものの、いいお湯が湧いていそうで興味があった小野川温泉。おととし白布温泉を訪れたとき路線バスで通り過ぎつつ、今度はこっちに泊まってみようと思っていた。
山形新幹線の米沢駅から小野川温泉のバス停までは25分と近く、バスを降りた後はどこの宿も歩いて数分なので、かなりアクセスが良い。しかも、この路線バスはほぼ1時間に1本走っているのもありがたい。

今回は夕食なしのプランなのでランチをしっかり食べておこうと思い、米沢駅到着後、駅前にあるステーキ東洋館さんで米沢牛100%ハンバーグを注文した。ちょっと贅沢な気分💛

ふんわりした優しい食感のハンバーグで、あっという間に完食♪ 大きなカップにたっぷり入ったコンソメスープは、さっぱりしているのに味わい深い。つけ合わせの野菜も程良い柔らかさで美味しかった。ちゃんとバランスの良い食事をいただいた満足感にひたりながら店を後にした。
少し時間が余ったので駅のお土産売場を物色し、おやつやジュースを買い込んでから路線バスに乗り込んだ。
途中の上杉神社あたりでは桜が満開だったけれど、小野川温泉のバス停で降りると、こちらはまだ冬っぽい景観。少しの距離なのに結構違う。
バス停の横の道を川に向かって歩いていくと、川を渡ってすぐのところにポップな看板が現れた。

この看板のところの坂道を上がっていくと、宝寿の湯がある。
小さな坂道の道端にはカタクリやふきのとうが咲いていて、なかなか良い雰囲気。桜は咲いてないけれど、春の兆しが感じられた。
坂道の途中で宝寿の湯の建物が現れた。(そのまま上っていくと甲子大黒天というお寺がある)

年季の入った建物を一部改装した感じの佇まいで、入ってすぐのところは今風のお洒落な足湯カフェになっている。

カフェの一画にはお土産売場があり、お菓子やカップ麺、お弁当も置いてあった。

フロントに近づくと、気配を察して女将さんが出てこられた。おっとりゆったりした雰囲気の方で、早速くつろいだ気分になった。朝食のみプランなので前払いで支払いを済ませた後、鍵をもらって3階のお部屋へ。エレベーターがないので、自分で荷物を持ってエッチラオッチラ階段を上がって行く。
2階に着くと、電子レンジが置かれたスペースがあった。館内はとてもキレイに整えられていて、好印象。

3階には浴衣置き場と図書室があった。この図書室以外にも館内のあちこちに本棚があって、とても沢山の本が置いてある。

オレンジ色のフリースマントは、ボタンを留めて着ても良し、ひざ掛けにしても良しの優れもの

部屋に入ってみると、まだ朝晩は冷えるようでコタツが出ていた。広々として解放感がある、まったりくつろげる感じのお部屋♪

宝寿の湯は高台にあるので見晴らしが良く、窓からは温泉街と川が見える。川のせせらぎの音が耳に心地よく、遠くの山並みも眺められて気分が良い。

緑色のレトロな冷蔵庫が可愛い💛と思って開けてみると、冷たいお水が用意されていた。(隣の缶ジュースは自分で買ってきたモノ)

目隠しの向こうには霧ヶ峰のヒーターが設置されており、これは夏には冷房になるのかな?

広い部屋なのにトイレと洗面所はかなり小さめ。でも室内にあった方が便利なので嬉しい。

明日は1日雨降りらしいので、今日のうちに近隣を散策しておこうと、まずは外に出かけてみる。
川べりを歩いていると、ツバメたちが賑やかに鳴きながら飛び回っていた。私の自宅近辺では4月になっても全然ツバメの姿が見えない。でも、いるところにはちゃんといるんだなとホッとする。

小野川温泉は夏になるとホタルが飛び交うそうで、確かに川の水が綺麗な感じ。そういう環境なので、あちこちにキセイレイがいた。巣材をくわえて2羽で行動しているのを見ると、ほのぼのした気分になる。
ホオジロ系のかそけき声も聴こえてくるけれど、なかなか姿が見つからず、ようやく1羽だけ枝先に止まっているのが見れた。
ひとしきり散歩して満足したので、さぁ、宿に戻ってお風呂に入ろう♪

まずはお部屋に用意されていた温泉饅頭を食べてひと休み。

宝寿の湯は1階の大浴場の他に、2階に貸切家族風呂、建物の外に貸切露天風呂がある。まずは基本の大浴場に行ってみる。
部屋には金庫がなかったけれど、大浴場の前に日帰り用の金庫があるので安心。

浴室に入ると、ほのかに硫黄の匂いが漂っていた。シンプルな浴槽に源泉が静かにかけ流され、常にオーバーフローしている。

足先を入れた瞬間「これは熱い!」と感じたけれど、肩まで浸かってみると底の方はいくらかぬるまっているようで、意外と無理なく浸かっていられる。無色透明なお湯の中に微細な白い湯の花が少しだけ舞っていた。
この浴槽は、高温の4号源泉とぬる湯の5号源泉をブレンドすることで丁度良い温度のかけ流しにできているところが良くできているなぁと思う。少し肌がキシキシする感じの浸かり心地だった。
5分ほど浸かると、そろそろ上がろうという気分になった。長湯を楽しむというよりは、短時間浸かってシャキッとする感じのお湯。
塩分が含まれる温泉はポカポカ感が長続きするというけれど、個人的にはそれほどぬくどまることはない印象だった。

部屋に戻ると激しい眠気に襲われたので、布団に潜り込んで心置きなく寝落ちした。
ひとしきり眠ると8時頃自然に目が覚め、さて持参したパンで夕食にするか...と2階の電子レンジへ温めに行く。館内は恐ろしいほどひっそりとしている。今日は他にお客がいないのだろうか?と思いつつハムチーズクロワッサンをレンチンしていたら、1階からお風呂あがりのお客さんが階段を上ってきたので、あ、他にも人がいた!とちょっと嬉しくなった。

簡単な夕食の後、再び大浴場に浸かりに行った。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + +

朝食は8時から。時間になると部屋に電話があり、2階の「もみじ」の間へどうぞと告げられた。行ってみると私の席しかなかったので、昨晩見かけた方は素泊まりなのかな。
テーブルの上にはシンプルな和定食が並べられており、熱々のお味噌汁だけ後から届いた。

この温泉卵は名物のラジウム卵。紫蘇巻きもある♪

いわゆる胡麻豆腐ではなく、胡麻入りのお豆腐

お味噌汁の具は山菜。美味しいお米で嬉しい。

味付けも量も丁度いい感じの朝ごはんで健康的な気分になった。翌日の朝食も内容はほぼ同じだった。(同じで全然構わない)

朝の入浴は、またもや大浴場へ。2泊すると焦ってあちこちのお風呂を入り比べなくても最終的に全部入れるので、ゆったり過ごせるのが嬉しい。

この日は確かに天気予報通り雨だったけれど、小雨が降ったりやんだりだったので、せっかくだから温泉街マップを片手に散歩することにした。
バス停の近くに飲泉所があるので飲んでみよう♪と、カラのペットボトルを持参して出発。

熱々の温泉水を汲んで一口飲んでみると、プ~ンと硫黄の匂いがしてなかなかパンチのある風味。でも、塩味がしっかり効いていて美味しい。
宿や民家の間の細い道を歩いてバイパス方面に出ると小さな丘のような公園があったので、入ってみる。ここの桜は少しだけ咲き始めていて、その僅かな花をメジロたちが目ざとく見つけて蜜を吸いに来ていた。どこか近くでウグイスも囀っている。
バイパスの方からジャージャーという声が聴こえてきたので、カケスがいるな...と思って声のする方へ探しに行くと、車道わきの高い木のてっぺん近くに1羽のカケスがいるのを発見。カケスはお得意のダミ声で鳴いた後、なにやら澄んだ歌声を響かせている。何の鳥の真似をしているのか分からないけれど、カケスって面白い。その気になればこんなキレイな声も出せるのに、どうして普段はダミ声で鳴くんだろう?

さっきの飲泉が胃腸の働きを活性化してくれたのか、急にお腹がすいてきたので、そろそろ宿へ戻ることに。橋を渡って坂道にさしかかると、頭上の空をピックイ~♪と鳴きながらサシバが飛んでいったのでビックリした。もう到着してるんだ!
サシバの鳴き声を生で聴いたのは初めてだったので、一瞬だけど嬉しい出会いだった。

ランチは宿のカフェで焼きカレーを注文。

単品かと思ったら山菜の小鉢とミルクプリンもついていた♪
あまり辛くないマイルドなカレーにチーズがたっぷりで美味しい。中には温玉も潜んでいた。結構ボリュームがあったけど、飲泉効果かそれほど苦しくなく完食。
川を眺めながら食事を楽しめる雰囲気の良いカフェにはドリンクや甘いものも色々あった。自宅の近くにこんな素敵な場所があったら、立ち寄り入浴+ティータイムを楽しみに毎月通ってしまいそう。(そんな人のための回数券も販売されていた)

午後の入浴は露天風呂にて。
露天風呂(2ヶ所ある)を使用する時は、フロントにあるお鷹ぽっぽを持っていく決まりになっている。

2羽のお鷹ぽっぽが出払っていれば、2ヶ所とも使用中ということになる

片方のお鷹ぽっぽを持参して露天の中を覗いてみると、なんだかすごくあけっぴろげなお風呂💧
これでは川向こうから見えてしまうのでは?と若干ひるんだものの、せっかくだから1度は入りたい。

なるべく壁際でしゃがみこんでかけ湯した後、姿勢を低くしてにじり寄るように浴槽へ移動。石がかなり滑るので、足元にも気をつける必要がある。
露天は高温の4号源泉を単独でかけ流しているので、かなり熱いかも...と思いながら浸かってみると、表面は熱いけれど中の方は外気でいい塩梅にぬるまっていた。浸かってしまえば外からは全然見えない感じ。
浸かった瞬間、明らかに大浴場より成分が濃いのが感じとれた。フサフサした白い湯の花がたくさん舞っていて、温泉の匂いも強い。硫黄だけでなく、昆布のような匂いと煙臭が混ざった複雑な匂いがする。そして、てきめんに肌がツルツルする。大浴場のお湯も十分良いのだけれど、さらにその上を行っている。大浴場より長湯できるし、やっぱり露天も入ってよかった✨

その後は部屋で雑誌など読みながらノンビリ過ごした。今日も館内はヒッソリしていて人の気配がなく、不思議な館に迷い込んだような非日常感。
夜はあまり空腹感がなかったので、柿ピーなどのおやつで済ませてしまった。

就寝前の入浴は、貸切家族風呂に行ってみた。こちらも高温の4号源泉の単独かけ流し。脱衣所はリフォームされているようで、小綺麗で居心地が良い。

こぢんまりした浴室は洗い場が狭いので、シャワーのお湯が浴槽に入らないよう細心の注意を払いつつ身体を洗う。そして浸かってみると、激熱!

やっぱり外気で冷やされない環境で4号源泉単独だと、こんなに熱いのだ。(源泉温度が77.6℃なのだから、当然と言えば当然)
露天と違って湯の花はあまりない。2分浸かっただけで限界で、上がると全身ゆでダコ色だった。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + +

最後の朝の入浴は、やはり使い勝手の良い大浴場にした。この時だけ初めて先客がいらした。宝寿の湯に泊まりにくるお客さんは静かにお湯と向き合う志向の方が多そうで、客層の良さもこの宿の魅力だなと思った。

もともとは宝寿園という伝統的な温泉旅館であったと思われる宝寿の湯。昔ながらの客室は天井板や柱の木などにも味わいがあって、丁寧に造られた建物を大切に使い続けているのだなと思う。浴室の清掃も毎日しっかり行われているようで、すべての浴槽に入浴不可の清掃時間が設定されているのも安心感がある。
現在は素泊まり歓迎のカジュアルな宿として運営されているけれど、今風のカフェエリアと古風な客室エリアが無理なく調和していて、とてもいい感じのお宿だった。
硫黄の他にもラジウムやメタけい酸など色々な成分が含まれるお湯も素晴らしいので、また違う季節に浸かりに来よう♪

=Memo=
1泊朝食つき 10,800 yen
朝食@会場
Check in 14:00/out 10:00
温泉:含硫黄・ナトリウム-カルシウム・塩化物泉(pH6.9~7.9)

 

多郎兵衛旅館(小安峡温泉)

たまには遠くの温泉にも行ってみよう!と思い立って、まだ雪深いであろう秋田県の小安峡を目指すことにした。新幹線で大曲駅まで3時間15分、奥羽本線に乗り換えて湯沢駅まで40分、さらに送迎車で40~50分と、なかなかに時間がかかる。
盛岡までは全然雪がなかったけれど、在来線の線路に入ると根雪が増えてきた。それでも道路の雪はきれいに片付けられていて、湯沢駅の駅前は普通に歩ける状態だった。
東口に出るとすぐにそれとわかる「多郎兵衛旅館」のロゴが書かれた送迎車が止まっていた。温和な感じの運転手さんに導かれて大型車に乗り込む。50分もかかる道のりが無料送迎とはありがたく頭が下がる。
長旅だったので疲れてウトウトしているうちに宿に到着した。

入口の自動ドアから中に入ると馬の置物がお出迎えしてくれた。
このお馬さん、あどけない表情が可愛くてナデナデしたくなってしまう。
でも何故に馬なんだろう?

館内は老舗らしい趣があり、ホッと心が和む空間だった。

お土産売場も小綺麗に整えられている。あとで物色しに来よう♪

担当の中居さんに館内を案内してもらっていたら、通路の壁にも馬の絵が。あちこちに現れる馬が謎めいていて気になる...

中居さんが、理解不能でないレベルの方言を交えて話してくれるのが何だか嬉しい。「浴衣っこ」とか、秋田の言葉は何でも「こ」をつけちゃうところが可愛い。
何か所もあるお風呂や食事処となる宴会場の説明を受けてから、お部屋へ。

12畳の広縁つき和室は広々。湯治プランなので滞在中お部屋への立ち入りはないそうで、浴衣・バスタオルの交換もないのだけれど、全然構わない。
静かにおこもりして温泉三昧を楽しむ2泊3日の始まりだ✨とワクワク感が高まる。

まずは、女将さんの手作りクッキーとお茶でひとやすみ。ザクザクした食感のクッキーが美味しい。

落ち着いたところで、まずは洗い場がある大浴場「薬師の湯」へ行ってみた。
脱衣所に入った時点で既にすごく風情がある!

素敵だな~と思いながら浴場に入ると、ますます心ときめく空間が広がっていた✨

ごつごつした石の床がちょっと足裏に痛くて、ツボ押し効果がありそう。
洗い場のシャワーは、大きなシャワーヘッドで使いやすい。身体を洗ってお湯に入ると、やや熱めの適温。特に匂いはないけれど、ぬめり感があるお湯だった。pH8.4だから、それほどアルカリ度が高いわけでもないのに、つるすべ感が強い。
上を見上げると天井が高く、見事な梁がめぐらされている(この梁は秋田杉らしい)。

お湯だけでなく、この空間に身を置くこと自体も楽しめる贅沢な湯殿だな~と嬉しくなる。頑張って遠くまで来て良かった。
浴槽の縁にはお湯の通り道が穿ってあり常にオーバーフローしている状態だったので、普通にかけ流しだろうと思っていたら、意外にもこの浴槽は循環濾過あり・塩素消毒ありなのだった。でも、塩素臭は全くしない。

源泉温度が87℃なので加水もされているのだけれど、浸かった体感ではピンボケ感もなく、パワーを感じるお湯だった。いわゆる循環とかけ流しの併用というスタイルなのかな?(そのへんの仕組みは良く分からないので、あまり気にしないことにする)
割とすぐにのぼせるお湯だったので、あまり長湯せずに切り上げた。

薬師の湯の先には露天風呂もあるのだけれど、つながっていないので、いったん浴衣を着て移動しなければならない。
露天には後で入ることにして、ちょっと下見をしておいた。

すでに雪が溶けてきているので雪見露天という感じではないけれど、こちらも良い風情♪
この他にも「陶喜の湯」というちょっと面白いデザインのお風呂と、貸切風呂があるので、計画的に全部入らなければ...
(さらにもう1つ離れのお風呂もあるのだけれど、冬季閉鎖されているので今回は入れない)

部屋に戻って備え付けのファイルを見ていたら、馬の謎が分かった。
小安峡温泉は栗駒山麓のいで湯なのだそうで、栗駒の「駒」に因んで馬を飾っているということだった。確かに地図を見てみると、小安峡は岩手と宮城の県境に近く、なるほどな~と思った。

その後ロビーの喫茶コーナーで雑誌など読んでいるうちに夕食の時間になったので、指定された宴会場へ行くと、先ほどの中居さんがすぐに席に案内してくださった。湯治プランなので品数は少なめで、ほとんどの料理が予め並べられていた。

朴葉味噌焼きの豚カルビだけ脂身苦手人間の自分にはちょっと厳しかったけれど、全体的には煮物などさっぱりした献立で、量も丁度良く♪
せっかくなのでオリジナルの日本酒も頂くことにした。
途中で海老とキノコのバター蒸し(?)もやってきた。この底の方に溜まっている汁が美味しいに違いないのに、アルミホイルなので持ち上げて飲むこともできず、残念。

日本酒はお猪口3杯くらいで気分良く酔っぱらったので、残りは自室の冷蔵庫で冷やしておいて明日の夕食のお供にしよう。
いい具合に満腹になり、部屋に戻ってしばし寝落ちした後、夜中に再び「薬師の湯」に浸かりに行った。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + + 

翌朝は朝食前に「陶喜の湯」へ。陶喜の湯と露天風呂は時間帯によって男女の入れ替えがあり、早朝から14時までは陶喜の湯が女性用なのだった。
浴室に入ってみると、こちらも個性的な趣きがあって素敵。

浴槽のでこぼこは「栗駒焼」というものらしい。薬師の湯の石のようなごつごつ感はなく、ちょっと浅めの浴槽になっている。
こちらは洗い場がないので、しっかりかけ湯をしてから浸かってみた。

浴槽の底にも栗駒焼が埋まっており、壁際にも飾られている。
陶喜の湯は外気が入る構造になっているので空気が清々しく、煙系の温泉の匂いも感じられる。なんとなくお湯のツルツル感が薬師の湯よりも強い気がする。やや薄暗い中で瞑想的な気分になり、無我の境地で朝の入浴を愉しんだ。贅沢な時間だな...

朝食は9時までに食べ終えないといけないので、8時スタートにした。
テーブルに並べられている料理の他にも女将さん手作りのおかずがミニバイキング形式で提供されており、ご飯のお供が盛りだくさん。

ピリ辛のきのこみそやネギ味噌などでご飯がすすみ、お代わりしたけど海苔まで行きつかなかった。ごま油風味のおからも良いお味。
陶器のグラスに入った牛乳は甘味が強くコクがあって、すごく美味しかった。牛乳があると食後のコーヒーに入れてカフェオレ仕立てにできるから嬉しい♪

今回はおこもりするつもりだったのだけれど、思いのほか雪深くなかったので、朝食後にひと休みしてから外へ散歩に出かけてみた。
宿から歩いて10分くらいのところに大噴湯という名所があるので、せっかくだから見てみたく、小雨が降るなか赤い橋を目指してテクテク歩く。

この橋の近くには300段くらいの階段があって谷底まで降りられるのだけど、さすがに今は雪が残っていて歩けないので、橋の上から遥か下の谷底を覗いてみた。
熱湯がゴゥゴゥ流れ、真っ白な蒸気がもうもうと立ち上っている!

これが源泉なのか...大地のパワーを感じるなぁ✨
後で中居さんにお訊きしたところ、宿の温泉はこの谷底から引っ張っている訳ではなく、宿のすぐ隣に源泉が沸いている箇所があるのだそう。(それはそうだろう)

いいものを見て満足し、元来た道を戻っていると、どこからかキャラキャラ...という声が聴こえてきた。なんだろう?と思って見回してみると、曇り空の中、鳥の群れがV字隊列を組んで飛んでいるのが目に入った。20羽くらいが、まるでひとつの生き物のように変幻自在に形を変えながら遠ざかっていく。
あぁ、あれはたぶん北へ帰る雁の群れだな、と眩しい思いで眺めた。
人間が勝手に決めた国境などお構いなしに自らの翼ひとつで広い世界を旅する渡り鳥たち。なんて素敵なんだろう。明日をも知れぬ命を生きる彼らの、道中の無事を祈った。

宿に帰りついてしばらくすると、もうお昼。ほぼ12時きっかりに、部屋に昼食の稲庭うどんが届けられた。

多郎兵衛さんの湯治プランは2日目の昼食ばかりか初日の昼食までついていて、至れりつくせりなのだった。(今回は15時近くの到着だったので、初日の昼食は辞退した)
外を歩いたら身体が冷えたので、温かいうどんが嬉しい💛

午後は3時から貸切風呂を予約しておいたので、フロントへ鍵をもらいに行く。
貸切風呂は他のお風呂と違って木の浴槽だった。かけ流しなので、見た目は小さくて地味だけれど、お湯のクオリティ的には最高のはず。

と思いきや、浸かった実感としては特に他との違いは感じず、薬師の湯と同じような感じ。むしろ陶喜の湯の方が、匂いやツルツル感が際立っていた気がした。
多彩な浴槽がある温泉宿は、入り比べてお気に入りを見つけるのが楽しい。(冬季閉鎖で離れのお風呂に入れなかったのだけちょっと心残り)

その後は、部屋で文庫本を読み耽っているうちに夕食の時間がやってきた。昨晩飲み残した酒瓶を片手に宴会場へ向かうと、私の席にはちゃんとお猪口が用意されていた♪

昨日の中居さんに「半分は明日飲もうと...」とお話していたら、今日の担当の方に伝えておいて下さったらしい。中居さんの間で情報共有がきっちり行われているのが、さすが老舗旅館だな~と感心する。
今宵のメニューはきのこ鍋と山かけがメイン。山かけにはマグロだけでなくサーモンやイカも入っていて、細かく切ったたくわんが散りばめられ、華やか💛
左のお椀の黄色いものは、雪の下から掘り出した葱の一種で郷土食なのだそう。独特の香りがあって美味しかった。

多郎兵衛さんのお風呂は24時間入れるので安心して寝落ちできるのが良い。今宵も自然に目が覚めるまで眠って、深夜に露天風呂へ出かけた。

露天風呂も洗い場がないので、しっかりかけ湯してから誰もいない湯船にちゃぽんと浸かる。この日は土曜日だったけれど、どのお風呂も独泉できたので、この時期は空いているみたいだった。(だから冬季限定で湯治プランが出ているのだろう)
短時間の湯浴みを何度も繰り返していたら、全身が超すべすべになった。ふと触れた時に驚くほど手の甲がなめらか。小安峡温泉すばらしい!
これですべての浴槽に入れたので、満足して眠りについた。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + +

最後の朝は、一番お気に入りの陶喜の湯に浸かってから朝食へ。

今朝のお魚はイワシの甘辛煮。骨まで柔らかくて美味しい~💛
その他のおかずも昨日の朝とは違っていて、連泊しても飽きないように配慮されている。もぐもぐ味わっていると、中居さんが「よく眠れました?」などとちょいちょい声を掛けてくださる。その心遣いが嬉しい。
初日の昼食を辞退したら、その代わりに...ということでお土産のおにぎりを用意してくださっていた。本当に至れりつくせり。

部屋に戻って出発の準備をしつつ、今度はいつ来れるかな...といつになく寂しい気分になった。近場の温泉なら「また来よう♪」と気軽に去れるのだけれど、小安峡はなかなかに遠いので。でも、新緑や紅葉の季節もすごく良さそうだし、近くにある女滝沢天然林という原生林でハイキングも楽しんでみたい。途中の岩手県あたりで1泊してハシゴするのも良いかもしれない。
後ろ髪を引かれつつ、滞在中お部屋の入口で見守ってくれていた兎さんに別れを告げて、チェックアウトした。

お世話になりました!

=Memo=
1泊3食つき 10,000~11,000 yen(ゆったり湯治プラン)
夕食@宴会場、朝食@宴会場、昼食@部屋
Check in 11:00/out 10:00
温泉:単純温泉(pH8.4)


 




禅の湯(天城温泉)

禅の湯さんは慈眼院というお寺の敷地内にある、ちょっと異色の温泉宿。
とても評判の良い宿なので以前から気になっていて、今年最初の温泉旅で行ってみることにした。
特急踊り子号に乗って東京から河津まで2時間半。意外と時間がかかる気がしていたけれど、車窓から時折見える海の景色を楽しんでいたら、おや?もう着いちゃった、という感じだった。
河津駅で下車すると、修善寺駅行きの路線バスが来るまで45分くらいあったので、ちょっと海岸を散歩してみることに。

浜辺まで来ても全くと言っていいほど磯の香りがしないのが不思議。カモメとか海ガモとかいるかな~✨と思って見渡してみたけれど、カラスしかいなかった。
砂浜には洗い晒されて白っぽくなった流木がたくさん転がっていたので、こういうの欲しかったんだ♪と嬉しくなって物色していたらあっという間に時間が経ってしまい、慌てて駅に戻る。
ほどなくやってきたバスに乗り込むと、15分ほどで慈眼院前に到着。
遠くに見える山並みがいい感じ。

お寺の石段を上ると、禅の湯さんの看板が掛かったテラスが現れた。

ロビーに入ると、チェックインのお客さんが何組もいて賑わっている。やっぱり人気の宿なんだな!と実感しつつ、自分の順番を待った。
スタッフさん達がテキパキしているので、たいして待たずにチェックインの手続きが終わり、館内の説明を受けて貸切風呂の予約&食事の時間決めをしてから2階のお部屋へ案内された。

館内はどこも裸足で歩けるのが嬉しい。
アメニティは階段下のスペースに置いてあり、必要なものを自分で取っていくスタイル。

お部屋に入ってみると、白を基調とした明るくお洒落な空間で気分が盛り上がる。見た目に素敵なだけでなく、コンパクト&機能的な造りが素晴らしい。

入ってすぐのところにトイレがあり、洗面台は窓際に。鏡もランプもスッキリしたデザインで、すごくいい✨ 手拭き用のタオルも置いてある。

館内着は渋い色あいの作務衣。よもぎ色の足袋も用意されていた。

部屋の金庫がダイヤル式なのもありがたい。このタイプだと安心してお風呂に入れる。
ドアを出てすぐのところにはドリンクコーナーがあって、温泉水、温泉水で淹れたコーヒー(Hot/Ice)、麦茶をセルフサービスで頂けるようになっていた。ビスコルマンドなどのカジュアルなお菓子もある💛
お盆が用意されているので部屋まで運びやすく、細かいところまで良く考えられているなぁと感心する。

まずはホットコーヒーとお菓子でひと休みすることに。
ドリンクコーナーには緑茶やほうじ茶のティーバッグもあるので、部屋に備え付けの電気ポットでお湯を沸かして淹れるのも良し。小さな冷蔵庫もひっそりと設置されていた。

部屋の中は暖房を入れなくても全然暖かい。このところ気温の高い日が続いているせいなのか、いつもこんなに暖かいのか?

コーヒーを飲んで一段落したところで、さてお風呂へ♪
お風呂は携帯の持ち込み禁止と貼り紙があったので、入口の雰囲気だけパチリ。

こぢんまりした脱衣所には数人のお客さんがいたものの、狭いという感じではなく。
浴室に入ってみると、温泉の匂いは特にしない。既に春の到来を感じさせる明るい陽射しの中でゆったりと身体を洗い、浴槽に浸かってみると、ガラス窓の外にはピンク色の花が咲いて華やいだ雰囲気を醸し出していた。もしかして...と思ったら、やっぱり河津桜だった。まだ1月中旬なのに、早い!
お湯は全くクセのない優しい浸かり心地で、温度は比較的熱め。敷地内に沸いている源泉が加水・加温なしでかけ流されており、毎分169リットルの湧出量らしいので、とてもふんだんな感じ。ピンク色の桜を眺めながらサラサラしたお湯を楽しんでいると、すっかり春の気分になってしまった。

禅の湯さんには岩盤浴もあって、浴室から直接入れるので、珍しく岩盤浴にもチャレンジしてみようかと思ったものの、他の方が出入りするたびに流れ出てくる凄まじい熱気に慄いてしまい、あっけなく諦めた。あれはちょっと無理だな...と個人的には思うけれど、人気があるようで、皆さん利用している感じだった。
岩盤浴を尻目に露天に出てみると、こちらは意外と人がいない。内湯は何の匂いもしなかったけれど、露天は浴槽の木の匂いと、外気に触れた温泉の煙っぽい匂いがした。いい匂いを吸い込みながら、ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、露天を満喫した。
入浴後は、部屋でしばし寛いでいるうちに夕食時間の18時になった。ロビーに降りるとスタッフさんが席に案内してくださった。食事処はいくつかの区画に分かれていて、私の席は奥まったエリアにあるソファ席だった。ソファで夕食とは珍しく、なんだか落ち着く♪

禅の湯さんには食事少な目プランがあったので、2食つきで予約して、手の込んだ美味しそうな料理を楽しみにしていた。
まずは自家製梅酒を注文し、ご飯と味噌汁も最初から持ってきて頂くことに。どれから食べようかな~と楽しく見渡し、かなりお腹が空いていたので、食べ応えがありそうな鹿肉のパテからスタート。

臭みもなくさっぱりした鹿肉は、クルミのざくざくした食感との相性が抜群! 粒マスタードをつけるとアクセントになって、ますます美味しい💛
本日のお造りはマグロとブリで、名産の生わさびが添えてある。
大きな赤いプレートには、あん肝と色々な野菜たちが並んでいた。

パリパリに揚がったレンコンとさつまいも(たぶん)、程良く火が通ったカブと里芋、それぞれの食感が楽しい。
野菜スティックにつける味噌ディップが絶品で、どうやって作るのかお聞きしたところ、自家製味噌に色々な野菜を漬け込むのだそうで。自分では絶対作れない。もしもこれをお土産として購入できるなら、家で毎日野菜スティックを食べたい...
こってりしたあん肝は、爽やかなポン酢味でバランス良し。梅酒のお供にチビチビ味わうと最高だった。
続いて、揚げたての天ぷらが登場。

丸っこい葉っぱはワサビの葉なのだそうで。特に辛くもなく、山菜天ぷらみたいで美味しかった。粒の大きなピンク色の塩は何塩なんだろう?(聞くのを忘れた)
天ぷらを食べ終わる頃には鴨ネギ鍋がいい具合に煮えてきた。このスープがすごく良い味なので、お椀によそったところにご飯を投入して雑炊っぽく食べてみたら素晴らしかった✨
最後に、クリームチーズとヨーグルトで作ったムース風のデザートがやってきた。

自家製のマーマレードが添えられ、砕いたナッツが振りかけてある。コクのあるムースとマーマレードの酸味、ナッツの歯応えが三位一体となって、うっとりするほど美味しい✨ 食べ終わりたくない...と名残惜しく思いながら完食した。
禅の湯さんのお料理には創意工夫が感じられ、本当に丁寧に作られていることが伝わってきた。冬はジビエ料理が多そうな印象なので、また違う季節のお料理も味わってみたい。

梅酒でほろ酔い気分になり、幸福感に満たされて居心地の良いお部屋に戻る。貸切風呂を10時に予約しているので、それまでひと眠りしよう♪

それほど深く寝落ちすることもなく、ちゃんと10時前に目覚めたので、予定通り貸切風呂に行ってみると、貸切風呂はかなりこぢんまりしたスタイリッシュな浴室だった。

小さな浴槽に身を沈めると、ザバーとお湯が溢れて贅沢な気分。明るい時間帯に入ったら、窓の外には何が見えるんだろう?
大浴場は必ず他のお客さんと被る感じなので、独泉を楽しみたい時はこちらの貸切風呂がいいなと思った。
禅の湯さんのお湯は、湯上りの肌がスルスルした感触になる。熱すぎずぬるすぎず、いつの季節でも気分良く浸かれそうな温泉だった。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + +

翌朝は朝食が8:30からと遅めだったので、それほど早起きせずに7時頃からチャポンとお風呂に入り、 身繕いをしてから少し庭を散策してみる。たいして広い庭ではないのですぐに見終わってしまったけれど、赤いお帽子を被ったお地蔵さんたちが朝日を浴びる姿が可愛らしかった。

朝食は昨晩とは違う区画で、小さな中庭が見える席で頂いた。中庭の向こうにはお風呂の暖簾が見えている。

美しく盛られたおかずは濃すぎない絶妙な味つけ。味がしみしみの柔らかいふろふき大根が最高に美味しい💛 パリパリの海苔フレークみたいの(名前を忘れた...)は、ご飯に載せて醤油をかけて頂く。

アジの干物は、予め焼いてあるものを再度あぶって熱々の状態で食べられる。身がふっくらして上質♪(身離れが悪かったのでイマイチきれいに食べきれず、ちょっと残念)
ご飯は「大喜米」という由緒あるお米らしく、赤出汁の味噌も自家製。
本当にすべてが美味しかった。

ゆっくり味わいながら朝食を楽しんだ後、部屋でひと休みすると、間もなくチェックアウトの時間になった。
今度来る時は連泊したい!と思いつつ宿を後にした。

チェックアウト後は、せっかくなので近くにある河津七滝という名所を散策してみることにして、修善寺駅行きのバスに乗り込む。10時すぎのちょうどいい時間にバスが来るのでありがたい。
河津七滝遊歩道上入口」というバス停で降りて、さぁ出発。

道しるべがちゃんとあるので、方向音痴の自分でも迷うことなく歩ける。天気が良く暖かいので、絶好の散策日和だった。木立のあちこちから鳥の声も聴こえてきて、今日は誰に会えるかな♪とウキウキしながら歩いて行く。
しばらく進むと下り階段が現れ、そこからはずーっと階段を下り続ける感じになった。思ったよりハード💧 鳥の姿を探している気持ち的余裕がない...

石の階段が終わったら木の階段が!

ひたすら階段を降り続けると、「釜滝」が姿を現した。なかなかの迫力。

さらに、長い吊り橋を渡って先へ進むと、透明感のある青緑色の水が美しい場所に到着した。

回り込んで振り返ってみると、これが「蛇滝」だった。小さくて可愛い滝の姿と宝石のような水色が素敵で気に入った。

次は踊り子の像がある「初景滝」。なんかデジャビュ感があるな...と思ったら、たぶんここはドラマ「孤独のグルメ」のわさび丼のエピソードで、井之頭五郎が立ち寄っていたところだ💡

ここまで来ると道は平坦になり、ぶらぶら歩いているうちに河津七滝バス停にたどり着いた。階段を避けるなら、こちらのバス停から歩き始めて蛇滝まで往復するのもアリだなと思った。

結局ほとんど鳥を見れないままバスを待っていたら、バス停の前にある小さな畑にイソヒヨドリが飛んできて、柵に止まった。ここがお気に入りの狩場らしく、柵からシュタッと畑に飛び降りては虫を捕まえている模様。
最近はどこでも見られる鳥になりつつあるイソヒヨだけれど、意外と会ったことがなく、こんなところで初めまして(笑)
なかなか良い締めくくりだった。

=Memo=
1泊2食つき 13,800 yen(量控えめお料理)
夕食@食事処、朝食@食事処
Check in 15:00/out 10:00
温泉:カルシウム・ナトリウム・硫酸塩温泉(pH9.0)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森の旅亭 マウント磐梯(横向温泉)

福島県には行ってみたい未踏の温泉がいくつもあって、横向温泉はその1つ。
鉄分が多い温泉らしいので良く温まりそうだと思い、是非とも冬に行こうと思っていた。ただ、近くにスキー場があるので、年が明けるとスキー客で混みそう。だから12月中に出かけることにした。
猪苗代駅に到着すると、送迎の方が「マウント磐梯」の掲示をかかげて待機されていた。送迎をお願いしていたのは私1人だったらしく、車に乗り込むとすぐに出発となった。宿までは30分弱かかるので、無料送迎はとてもありがたい。
猪苗代駅周辺にはほとんど雪はなかったけれど、宿がある標高1080 mの辺りまで来ると結構積もっていた。それでも去年と比べれば全然少ないらしい。
宿に着くと、顔をはめるやつがロビーに置いてあった。このキャッチフレーズいいなぁ。

速やかにチェックインの手続きが終わり、4階のお部屋に案内される。
昔ながらの和室は12畳で広々。古びてはいるけれど、ちゃんとお掃除されているし、暖房の効きも良くて快適。

入口のドアを開けてすぐ左手に洗面台があり、こちらは水しか出ない。右手には3点ユニットの風呂・トイレがあり、こちらの洗面台はお湯が出るので、顔を洗う時はこっちを使うことに。

布団は予め敷かれていた。
広縁の椅子に座ると窓から雪景色が見えて、いい感じ♪

温かい緑茶を淹れて一服してから、早速温泉へ浸かりに行く。
エレベーターで1階へ降りるとすぐ目の前に大浴場の入口があるので、移動が楽で助かる。この時は「子宝の湯」が女性用だった。
脱衣所も暖房がしっかり効いていて寒くない。浴室に入ってみると石油っぽい匂いがした。かなり広々した浴槽に、噴水のような湯口から勢いよく源泉が注がれている。

寒くないのでゆっくり身体を洗ってからおもむろに浴槽に身を沈めると、熱すぎずぬるすぎず絶妙な温度で気持ちいい~✨
どこかに「無色透明」と書いてあったけれど、お湯はしじみ汁のようにうっすら濁って灰色がかった色に見える。時折どこからかプーンと鉄の匂いが漂ってきた。とてもまろやかで肌にやさしい浸かり心地が素晴らしい。
床のタイルが茶色くなっているのは、やっぱり鉄分なんだろうな。脱衣所には鉄分含有量に関する説明も掲示されていた。確かに浴槽の底をなでてみるとザラザラしたものが積もっている。これが鉄なのか...。そんなに鉄の含有量が多いにもかかわらず、分類としては単純温泉なのが意外だった。

内湯でしっかり温まってから外の露天に移動すると、さすがにピリッと空気が冷たい。木の床が滑るので気を付けながら半露天「天恵の湯」に浸かってみた。目の前の格子窓越しに雪を眺めつつぬるめのお湯に浸かっていると、とっぷりと秘湯感を味わえる。隣の露天「梵天の湯」のランプの灯りも見えて、すごく良い風情💛
やっぱり露天は雪見が最高だなーと幸福感に包まれながら、すっかり長湯してしまった。

部屋に戻ると、やたらと眠い。1泊目は夕食をつけていなかったので目覚ましをかけずに布団に潜り込み、ひと眠り...と思ったら、途中何度か目を覚ましつつ夜中まで眠ってしまった💧 疲れていた訳でもないのに、なんでだろう?
お昼にしっかり天ぷら定食を食べていたので大して空腹でもなく、買ってきておいたアップルパイだけ食べて再びグーグー眠ってしまった。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + + 

目覚めるとちゃんとお腹が空いていたので、朝食を楽しみに会場へ向かった。
指定されていたコンベンションホールに入ると老人会ご一行様がズラーッと座って食事を楽しんでおられ、思いがけず賑やか。
昨日のお風呂では2、3人しか一緒にならなかったので、こんなにお客さんがいたとは...とビックリ。

自分の席に着いて早速卵焼きを食べていると、地元のお母さん風のスタッフさんがお味噌汁とご飯を持ってきてくださった。各テーブルを回りながら「ご飯おかわりしてくださいね~」と目配りしておられ、おっとり&気さくな接客がいい感じ。

ご飯の他にお粥もあったけれど、冷めているのが惜しい。熱々だったら更に美味しいに違いない。蒸し野菜とシューマイはホカホカで、ほどよく満腹になった。

朝食の後はロビー横のラウンジでコーヒーを頂ける。

このラウンジの調度品が何とも言えない感じで、クリムトの絵の前に鎮座している黒光りしたトーテンポールみたいなものは何なのだ...?と興味を引かれ、近寄って観察してみた。パッと見はギリシャの哲人みたいに見えるけれど、草鞋のような履物をはいていて、足元にはニワトリを従えている。何者なのか全く分からない💧
コーヒーは癖のない薄味系で、スッキリしていて美味しかった。
部屋に用意されていた「じゃり豆」とくるみゆべしが気に入ったので、今日のおやつ用に売店で購入してから部屋に戻った。

じゃり豆はピーナッツよりも小さい粒々で、何を使っているのだろうと思ったら、かぼちゃの種・ひまわりの種・アーモンドなのだった。いつも捨てているかぼちゃの種も有効活用すればこんなに美味しいのか。ひまわりの種に至っては小鳥の餌だな!と可笑しくなる。大好きなカワラヒワになった気分でポリポリ食べよう♪

チェックアウト時間が過ぎるのを待って、10時頃に朝の入浴へ。
マウント磐梯のお風呂は基本的に24時間入れるけれど、夜の10:00~10:30は清掃のためクローズされ、その後男女の入れ替えがある。今朝は「会津八湯」が女性用になっていた。
老人会の皆さんも出発したようだし、たぶん独泉だろうと思ったら、意外にも他のお客さんがいらした。この宿は連泊する人が多いのかも。
会津八湯」の大浴場は「子宝の湯」より更に広々していた。

湯口からドバドバと源泉が流入している。源泉の温度が44℃くらいだから、この勢いでかけ流しても浴槽内が激熱にはならないんだろう。そして横に長い浴槽なので、湯口から離れたところは結構ぬる湯になっていて、自分の好きな温度のところに浸かれるのが良い。

湯口近くのエリアでしっかり温まってから露天へ移動すると、こちらには誰もいなかった。久しぶりにつららを眺めながら、キリッと冷えた空気の中でぬるめのお湯を堪能する至福のひととき。

脱衣所には普通の分析表の他に年代物の分析表が飾られていた。
文字のにじみ具合がすごい。

大浴場を出たところにある鎧兜の飾りつけも一風変わっているので、思わずパチリ。

なぜか傍らに七福神みたいな白いお爺さんがいて、左側のドア横の壁には異様な感じの子供の絵が描き込まれている💧
この子供の絵はどなたかのアートらしいのだけれど、階段の踊り場にも突然現れてギョッとさせられた。
マウント磐梯は節電しているのか照明が控えめで、全体的に薄暗い感じの館内に種々雑多な骨董品が点在していて、ちょっと怪奇な感じが面白い。

お風呂の後は、できれば外に散歩に行きたかったけれど、雪が溶けたり凍ったりを繰り返してツルツルな状態になっているので絶対転ぶと思ってやめておいた。仮に雪がなかったとしても、やっぱり熊が怖いから無理だったかもしれない。
館内にはライブラリー的なものはないので、ちょっと時間を持て余す。昨日たくさん寝すぎたせいで全く眠くないし、テレビをつけてご当地ニュースを見ていたら、今日も割と近くで子熊が捕獲されていた。今年は冬眠しない熊も結構いるのかも...

お昼は昨日買ってきて冷蔵庫に入れておいたキッシュをラウンジの電子レンジで温めて食べた。やっぱり温かいと断然美味しい♪

3時頃に午後の入浴に行くと、外来入浴のお客さんたちと入れ違いで、また静かに独泉できた。大型旅館なのにこんなに空いてて良いのだろうか...と思ったら、日によっては老人会の他にも台湾からのツアー客がかなり入るそうだし、1、2月はスキー合宿でほぼ埋まるということなので、今回はたまたま空いている日だったらしい。ラッキーだった。

今日は夕食つきなので、18時に食事処の「花かんざし」へ。朝食会場よりこぢんまりしていて、各席が衝立で仕切られていた。
テキパキした女性スタッフさんが1人で切り盛りされていて、席に着くと次々にお料理が運ばれてきた。

ピリ辛ダレがかかった豚肉の冷しゃぶ、お刺身、トウモロコシ豆腐(?)、きのこ鍋
会津地鶏と野菜の煮物、澄まし汁、味噌だれ味の茄子の焼物、デザートのムース

量もちょうど良く、あっさりした献立だったので、無理なく完食できた。他のお客さんと女性スタッフさんが和気あいあいと会話されていて、楽しげな雰囲気。(その会話を聞いたおかげで、団体客の入り具合など内情がよく分かって良かった)

夕食後は特にすることもないので、今宵も早寝して明日早朝の湯浴みに備えよう。
マウント磐梯の周りにはブナ林しかないので、車が走る音もせず、本当に静か。強めの風が木々を揺らす音だけが聴こえてくる。
今度来る時は本を持参しておこもりしようと思った。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + +

最終日は6時に起きて、「子宝の湯」へ。帰りの送迎車が9時出発なので、あまりノンビリできないのが残念。内湯でササッと温まってから一番お気に入りの半露天「天恵の湯」へ移ると、昨日ほど空気が冷たくない気がした。
まだ薄暗い中、ランプの灯りと格子窓越しの雪がやっぱり素敵な風情。しみじみと最後の湯浴みを楽しんだ。あぁ、名残惜しい...

朝食会場へ行くと、今日はスッキリ晴れていて、澄んだ空に磐梯山が綺麗に見えた。

マウント磐梯のお湯はよく温まるのもさることながら、湯上りの肌がとてもしっとりするので、乾燥する季節には嬉しい限りだった。
露天が素敵なのでやっぱり冬が最高だと思うけど、新緑の季節に来て周辺のブナ林を散策するのも楽しいかも(これほど熊が多発していなければ、という前提で)。

=Memo=
1泊朝食つき 12,650 yen
1泊2食つき 15,400 yen
夕食@食事処、朝食@食事処
Check in 15:00/out 10:00
温泉:単純温泉(pH6.5)
※エアコンの設置がないので、真夏は暑いかもしれない

福島潟でヒシクイ観察

3年前の12月、月岡温泉に行くついでに福島潟で鳥見をしようと楽しみにしていたところ、運悪く大雪に直撃されて計画がポシャッてしまった💧
いつかリベンジしよう...と思って計画をあたためているうちに3年も経ってしまい、このたびようやく狙い通りの11月下旬に福島潟を訪れた。

やっぱりヒシクイたちのねぐら入り・ねぐら立ちを見たいので、潟のほとりにある菱風荘というセルフサービス式の宿に泊まることにした。

蔵のようなコテージが並んでいる菱風荘

チェックインして荷物を置くやいなや、福島潟へ!
この日は天気が良くて暖かく、絶好の鳥見日和だった。

潟に沿って遊歩道がある。遠くに見える不思議な形の建物はビュー福島潟。

遊歩道を歩いていると、湖面にたくさんの水鳥がいるのが見える。そのほとんどがマガモコガモだった。あとはカワウとオオバン、カンムリカイツブリがちらほら。
ここしばらくクマが怖すぎて自然豊かな場所に行けていなかったので、久々の鳥見がすごく嬉しい💛
遊歩道をノンビリ歩いていくと、雁晴れ舎(がんばれしゃ)という3階建ての観察小屋に到着した。スコープが設置されていて、ここからなら天気の悪い日でも濡れずに観察ができる。

スコープを覗いてみると、はるか彼方の水面にヒシクイがいるのを発見した!
双眼鏡では到底見えない距離なので、水鳥を見るにはスコープと言われるのがとても納得だった。
ヒシクイたちは水に頭を突っ込んで何かを食べていて、モフモフの白いお尻がよく目立つ。地味な色合いだけど、翼の模様が美しい。可愛いなぁ~💛
スコープは5台くらいあり、他のお客さんはほぼいない感じだったので、時間を忘れてヒシクイに見入った。
ヒシクイたちがいるエリアにはオナガガモもたくさんいた。
手前のマガモエリアに目を移すと、あちこちでマガモが求愛ダンスをしている。挨拶をするように首を縦に振ってはクチバシの先でチョン!と水をはじく動作が面白い。

16時をまわると、近くの田んぼで採食していた白鳥たちが続々と潟に戻ってきた。白鳥は家族単位で行動するらしいので、5羽くらいの小さい群れがいくつもわらわらと飛んでくる。
ロゼワインのような色合いの夕焼け空をバックに真っ白な白鳥たちが飛び交う風景は息をのむような美しさだった。

これは夕焼けが終わった後の時間帯。白い点々が白鳥たち。

あっという間に湖面は白い鳥だらけになって、白鳥たちのコゥコゥ♪というコーラスが満ち溢れる。灰色の幼鳥もたくさんいて可愛い💛
時折マガモがクワーッ!クワックワックワッ!と叫ぶ声も混じって、夕方の福島潟はとても賑やか。この様子を見ていると、本当にここは鳥たちの楽園なんだな~と幸せな気持ちになった。
あまりに楽しかったので時間を忘れ、気づくと辺りがかなり暗くなっていた💧
この辺りは近くに山があるわけではないので「クマが出た」という話は聞かない感じだけれど、さすがにちょっとヒヤヒヤしながら宿に戻った。
ヒシクイのねぐら入りは見れなかったけれど、大満足の鳥見だった。

菱風荘のコテージはキッチンつきで、食器も調理器具も揃っているので自炊できるけれど、ものぐさな私は駅弁で夕ごはん。
新幹線の車内誌で紹介されているのを見て美味しそうだなーと思っていた朱鷺めき弁当が買えたので、食べるのが楽しみだった。

お箸の袋のデザインも凝っている

バラエティーに富んだおかずが色々で、ご飯は冷たくなってもモチモチ感がある。さすがは米どころ新潟。笹団子のデザートまでついて、とても美味しく充実した駅弁だった。また食べたい。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + +

翌朝は夜明け前から雨が降っていて、時々雷まで鳴るという荒れ模様。
雨足が弱まるのを待って出かけたらちょっと出遅れてしまったけれど、それでも遊歩道を歩いていると上空を白鳥たちが田んぼに向かって飛んでいく姿があちこちで見られた。湖面を助走している白鳥たちもいた。
雁晴れ舎に着いてスコープで見てみると、もはや白鳥たちの姿はなく、ヒシクイもいない。多分ヒシクイは白鳥より先に出動して、白鳥より遅く帰ってくるんだろう。そして湖面に残っているのはほぼマガモ。でも、丹念に探すとホシハジロがいるのが見つかった。とにかく広い潟なので、目の届かないところに他の水鳥もいるのかもしれない。

雨が降ったりやんだりなので、やんでいる隙に宿に戻り、ササッと朝食のパンを食べ、部屋の片づけをする。セルフサービスの宿なので、布団カバーやシーツを外したり、食器を洗ったり、ゴミをまとめたり...と自分でやるのだけれど、大した手間ではない。どこも清潔で、スタッフさんの感じも良く、なかなか良い宿だった。

チェックアウトした後は荷物を預かっていただき、身軽な状態でビュー福島潟へ。
館内には福島潟の自然や文化に関する展示があり、映像展示室にある中央カメラは自分で上下左右に視野を動かしながら潟のライブ映像を見られて面白かった。
本物のヒシクイと同じ重さに作られたぬいぐるみを抱っこしてみると、ズシリと重くて驚く。ヒシクイ、間近で見ると大きいんだろうな~。

「りょうてでやさしくもってね(くちばしがもげるから)」という注意書きがシュールで、ちょっと笑えた。

展望ギャラリーにはスコープもあって、覗いてみると田んぼに白鳥がいた。白鳥は白いから目立ってすぐに見つかるけれど、よく見ると別の区画に茶色い地味なヒシクイたちもいる!
ヒシクイの群れの中に1羽、採食せずにスクッと首を伸ばして周囲を見渡している鳥がいた。ガンは警戒心が強いというから、あれはきっと見張り役なんだろう。ゴハンを食べるのを我慢してみんなのために警戒している健気な姿を見ると、ますますヒシクイが愛おしくなる...

9月末頃にカムチャツカ半島から渡ってくるヒシクイ日本海側を南下して、琵琶湖まで到達するのだそう。一方、ヒシクイとよく似たマガンは主に太平洋側に行くらしく、ルートが違うのは何故なんだろうと興味深い。
関東圏では会うことのできない素敵な鳥ヒシクイ。またいつか福島潟に会いに来たいと思う。

=Memo=
豊栄駅前にはタクシーが常駐しているので、今回はタクシーを利用した。豊栄駅から菱風荘まで1250円だった。

 

 




宝巌堂(栃尾又温泉)#5 初秋編

秋の栃尾又に来るのは久しぶり。
小出駅に到着すると、向こうのホームにはいつものように只見線の列車が止まっていた。いつの日か、あれに乗って会津若松方面を目指してみたいなぁと横目に見ながら改札を出る。乗合タクシーが来るまで30分ほどあるので、とりあえず待合室で座って待つことに。

左:沿線の風景が素敵らしく、人気の只見線
右:乗合タクシーの停留所は駅名の看板横にある

時間になったら停留所のところに移動しようと思っていたら、乗合タクシーは少し早めにやってきて、運転手さんが待合室まで迎えに来て下さった。
私の他にご夫婦のお客さんも乗り込んで、それで全員揃ったらしく早めの発車となった。こういうところは普通の路線バスよりスピーディーで良いなと思う。
途中で地元のお客さんも乗ってきて2、3回停車しただけで、あとは栃尾又までノンストップ。

到着して車から降りると、空気がいい匂い✨
草木はまだ青々としていて、あまり秋っぽくない。でも既に夏ではないので、セミの声も鳥の声も聴こえない。宴の後のような静けさが漂っている。
ここに立っているだけで、なぜか全身が良い気に包み込まれるような気がする。神社仏閣系のパワースポットには全く興味がない私だけれど、栃尾又に来たときだけは「ここはパワースポットだ」と感じる。

今回泊まるのは3-13の部屋。

初めて宝巌堂に来たときの印象を色濃く残している部屋で、懐かしい感じがする。宝巌堂さんは常に色々と工夫されて変化していく宿なので、リフォームされてガラッと雰囲気が変わった部屋もあるけれど、3-13は昔に帰ったような正統派昭和レトロな感じで、なんだかホッと落ち着く。

洗面所とトイレは他の部屋と同じ。清潔で使い勝手◎

窓の外の木は少しだけ色づいていて、光の具合が落ち着いた秋の気配を感じさせた。やっぱり栃尾又はいつの季節に来ても風情がある。

この日のお風呂はおくの湯+したの湯だったけれど、おくの湯が3時まで清掃中だったので、しばらく部屋でのんびりすることに。(したの湯は洗い場がないので、やっぱり最初の入浴はおくの湯にしたい。)
お湯を沸かして持参したドリンクを作り、早速ラパンさんのクッキーに手を伸ばす。今回はハロウィン・デザインのミックスクッキーだった💛

くつろいでいるうちに3:30くらいになったので、そろそろお風呂へ行こう♪
サラッとした肌あたりの桐材の階段を降りながら、どこも裸足で歩ける館内は最高だと改めて思う。

おくの湯に到着してみると誰もいなかった。他のお客さんはしたの湯に行ったのかも。
せっかく誰もいないのに、お風呂の写真が撮れないのが残念。盗撮の問題などあるからスマホの持ち込みが禁止なのは十分理解できるけど、自分の目に映った風情ある湯舟を写真に残しておきたいといつも思う...

まずは沸かし湯で温まってからぬる湯に移動すると、思ったより温かい。気分よく浸かっているうちに、ちらほらと他のお客さんがやってきた。でも今日は結構すいている。
最初の入浴は30分程度にしておこうと、適度なところで切り上げた。
外に出るともう夕方の気配で、日が短くなったなぁと思う。

この渡り廊下の鄙びた風情が好き。自在館さんの一部だと思うのだけれど、何のためのものなのか未だに分からない。一度でも自在館に泊まってみれば、この建造物の全容が分かるだろうけど、最初に宝巌堂さんと出会ってしまったので何となく浮気できない(←変なところで一途)。
右手の木の壁に描かれている行基さんの絵って前からあったっけか...?と、見慣れぬものを見る思いで眺めた。行基さんの名前はあちこちの温泉地で見かける気がするけど、栃尾又温泉も行基さんとご縁があったとは知らなかった。

今回は最初の入浴後に倦怠感は出なかった。そのときによって出たり出なかったり、不思議。栃尾又以外の温泉では経験したことがない症状なので、これは何なんだろう...と前々から考えていた。それで、本箱にあった『医師がすすめる 低放射線ホルミシス』という本を手に取って読んでみたら、低線量の放射線アポトーシスを促進してくれることが分かった。栃尾又のお湯には、肌がつるつるになるとか代謝が良くなるとかのレベルではなく、全身の細胞の深部に働きかけてくるような凄みを感じるので、体内で異常な細胞が破壊される過程で倦怠感が出ると考えると納得がいった。

本箱には面白そうな本が色々ある。

本を読んでいるうちに夕食の時間になった。今回も食事は部屋まで運んでくださった(1階の食事処は満席だったらしい)。

肉団子甘酢あん、かぼちゃと人参のバター煮、揚げいんげん、枝豆

ふわふわ食感の肉団子を新米のコシヒカリと一緒に味わう幸せ💛
肉厚で柔らかいピーマンも最高に美味しい。10月なのにまだ枝豆があったとは!

鮭の味噌漬け、なますうりマヨネーズ和え、カリフラワー出汁マリネ、漬物

久々になますうりと再会できたのも、すごく嬉しい。この独特な食感が大好きで、また食べたいな~と思っていた。調理にかなり手間がかかる食材だと思うので、自分では絶対作れない(そもそも都内のスーパーには売っていない)。
鮭に添えられているガリは新生姜らしく、爽やか。
ようやく夏バテの季節が終わり、美味しいご飯がモリモリ食べられて良かった。

ひと休みしてからフクロウを探しに夜の散歩に行こうかと思ったものの、満腹になるとついつい寝落ちしてしまい、出不精になる💧
結局出かけずじまいになってしまった...

+ + + + + + 就 寝 + + + + + + 

目覚めると快晴で、至福の2日目の幕開けにふさわしい天気✨
昨晩たくさん食べたのに、朝になるとちゃんとお腹が空いていて朝食が待ち遠しい。

いつもながら卵焼きが絶品♪ 青菜の胡麻和えはほうれん草だった。
日頃は小さな丸パン1個で朝食を済ますのに、ここでは朝からご飯を3杯も食べてしまう。新米のコシヒカリが甘くて本当に美味しい。

のんびり食べ終えた後、しばし腹ごなししてから朝の入浴に出かける。

柔らかな朝の日差しの中、うえの湯に向かう小道を歩くのが心地よい。
やっぱりお風呂は割とすいている。身体を動かさず静かにぬる湯に浸かっていると、だんだん肌に泡がついてくる。栃尾又温泉の泡には不思議な粘度があり、指先でスッと払おうとしても肌の上を移動してなかなか離れていかない。泡のつき方も、何かの経絡に沿っているかのように1本の線を描くのが面白い。今更ながら栃尾又のお湯は独特だなぁと思う。

雪で閉ざされる冬には、この廊下がうえの湯・おくの湯への通路となる。

いったん部屋に戻って着替えてから散歩に出かけることに。たぶん鳥には会えないだろうけど、期待せずに歩いてみよう...と出発すると、カラ類の声が聴こえてきた。コガラかな?ヤマガラかな?会いたいなーと思って立ち止まり、声がする木をつぶさに見てみたけれど、姿は見つからない。

もうしばらく歩くと道路わきの木からギィーという声がして、コゲラが姿を見せてくれた。色が薄めで幼鳥っぽい感じ。せわしなく木の枝を動きまわりながら虫を探している。コゲラは大体いつでもどこでも会える野鳥だけれど、やっぱり会えると嬉しい。
さらに歩いて見返り橋まで行くと、木々の奥からギャギャギャ!!という断末魔のような大声が響き渡った💦 声の質からするとキツツキっぽいけど、何が起きたんだろう?天敵に襲われたのか、ハチにでも刺されたのか...
姿は見えないものの、ちゃんと鳥たちは存在していて、ドラマが繰り広げられている模様。
最近はあまりに熊の出没が多いので、あまり遠くまで行かずに引き上げよう...と元来た道を戻り始める。

だんだん曇ってきた。

宿の近くまで戻ってくると、道端の茂みから小さな声でホ~ホケケキョピ~ ケキョケキョケキョとウグイスのような声が聴こえてきた。なんだか若いオスがさえずりの練習をしているような雰囲気だけど、こんな時期に?と、けげんに思いながら立ち止まり、耳を澄ませてみるけれど、どうしてもウグイスにしか聞こえない。来年の春に備えて今から練習を始める真面目なオスもいるのかな。鳥の行動は謎なことも多くて興味深い。

いつも通り帳場でジェラートを買って、この後は部屋でまったり過ごす。今回選んだ宝巌堂オリジナルは、フルーツ&ミルクのさっぱり味💛

懐かしの『動物のお医者さん』を読みつつくつろぐ午後のひととき。

夕方になると、やっぱり軽い頭痛が出た。今日は炎天下で散歩したわけではないので、これは湯あたりなのだと確信する。ここ数年、この症状が出るようになったのは身体の変わりめなのかな。普段はほとんど頭痛に悩まされることがないので、栃尾又のお湯特有の現象で興味深い。
辛いというほどではないので夕方の入浴に出かけ、戻ってくるとそろそろ夕食の時間になった。
今宵も夕食はお部屋にて。

えちごもち豚しゃぶしゃぶ、刺身みそあえ、さつまいも甘辛煮、菊の花の辛子酢、
ゴーヤとおくらの梅和え、ポテトサラダなどなど

うすーく繊細にスライスされたもち豚のしゃぶしゃぶは柔らか。すだちをキュッと絞り、醤油をかけて頂く。淡い紫色が美しい菊の花は「おもいのほか」という新潟の品種らしい。これも大好きな1品。安定の美味しさの刺身みそあえをお供に、ご飯がすすむ♪
こうして丁寧に作られた素晴らしいご飯を味わっていると、帰ったらちゃんと料理しよう...と少し意欲が沸く。旅に出て良いものに触れることは、日常生活を仕切り直すきっかけになってくれる。
今宵もちょうどよく満腹になり、満ち足りた気分で布団にゴロンと横になって『動物のお医者さん』の続きを読む。最後の夜がゆるゆると更けていく。

+ + + + + + 就 寝 + + + + + +

最終日は朝食前にお風呂に行くため、6時に早起き。外は今にも泣きだしそうな曇り空だった。
したの湯に通じる階段は、生命の源に降りていくようなミステリアスな感じが好き。

到着すると脱衣所にはいくつもの籠が置いてあり、先客が5人くらいいた。皆さん早起きだな。
まだ少し眠いので、ぬる湯の中で目を閉じてウトウトしながら最後の湯浴みを堪能した。たった2泊の湯治だけれど、霊泉のおかげで身体の中の悪いものが除去されたような気がする。いい温泉はたくさんあるけれど、やっぱり栃尾又は自分にとって特別な場所なのだとしみじみ思う。

そして、あっという間に最後の朝ごはん。

鮭は何かに漬け込んだ感じのしっかりした味つけで、これだけでご飯が2杯いける。青菜はつるむらさき。普段買うことのない野菜だけど、ヌルッとした食感が美味しいので今度買ってみようかな。最後に大好きなメロンが食べられて嬉しい💛

野鳥のさえずりが賑やかな新緑~夏の季節が去った後、秋の栃尾又はとても静か。ちょっとしんみりした気分になる秋の湯治もなかなか良い。
これからも季節をずらしながら末永く通いたいな...と後ろ髪を引かれる思いで宝巌堂さんを後にした。

=Memo=
1泊2食つき 18,810 yen(湯治プラン)
夕食@部屋、朝食@部屋(食事処の場合もあり)
Check in 12:20/out 10:10
温泉:単純弱放射能温泉(pH8.3)
乗合タクシー代(小出駅栃尾又温泉)400 yen