宝巌堂(栃尾又温泉)★梅雨編

私にとって毎年楽しみで欠かせない年中行事である、栃尾又での湯治。
かれこれ10年くらい、少しずつ季節をずらしながら訪れているけれど、泊まるのは必ず宝巌堂さんと決めている。

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栃尾又温泉のバス停を降りて、すぐ目の前の小さい坂道を登ると宝巌堂に到着

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入口では可愛いフクロウの置物がお出迎え

カラカラといい音がする玄関の引き戸を開けると、今年も来れた!という嬉しさに胸が高鳴る。

今回宿泊するのは一番のお気に入りの部屋で、小上がりに予め布団が敷かれている。裏山に面している側にあり、やや薄暗く涼しいので、夏にはちょうど良い。
ちゃぶ台の上には新潟米のおかきとラパンさんのクッキーが用意されている。このクッキーはホクホクした食感がとても美味しくて大好き。犬のメレンゲもかわゆい。

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もともと湯治宿だったところはトイレが共同だったりする場合が多いけれど、宝巌堂さんは全ての部屋にキレイなトイレと洗面台が完備されている。
洗面台はモノを置く場所がたくさんあって使いやすいし、木の床のトイレは妙に落ち着く空間。レトロでノスタルジックな風情でありながら機能性も兼ね備えた部屋は、居心地抜群で本当にくつろげる。

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温泉は共同浴場で、宿の外にある。(うえの湯・したの湯・おくの湯の3ヶ所)
お土産売場を通り抜け、食堂わきから屋根付きの外階段を下りて行く。
真夏になると、この階段の柱にはセミの抜け殻がたくさんついていて楽しいのだが、まだ時期が早いのでセミは鳴いていなかった。

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左:お土産売場。今年も色とりどりのパサールバッグが飾られている。

右:温泉へ続く外階段

うえの湯に入ったら、まさかの貸切状態でビックリ。写真を撮るチャンス!と思ったけれど、残念ながら浴室の写真撮影は禁止されていた...
温泉ブログなのに、なかなか温泉の写真が撮れない💦
栃尾又のぬる湯は源泉かけ流しの証か、温度が変動する感じで(あるいは自分の体調との絡みか)、その時々で温かく感じたり、ちょっと冷たかったりする。
今日はちょうど良くほの温かかった。
濃いブルーのタイルの浴槽と窓の外の一面の緑とのコントラストが美しく、至福のひととき。

お風呂から上がった後は本箱で温泉雑誌をピックアップして、部屋に戻ってティータイム。

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昨年だったか、新たにオープンした「本箱」

文庫本や漫画も色々あるので、滞在中にミステリーなど読破するも良し。

湯治コース(2泊~)で宿泊すると、食事は部屋に届けてくれる。
夕ごはんが届く6時が近づくと、いそいそとドアを開けてスタンバイ♪
【今日のメニュー】ブリ塩麹漬、塩もみキュウリと牛肉の炒め物、大正金時豆チリコンカン、ズッキーニのナムル、アボカド入りマカロニサラダ、カリフラワーの出汁マリネ、ご飯(コシヒカリ)、味噌汁、漬物

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湯治コースは品数が少なめなのだけれど、「食べきれないほどのご馳走」が苦手な私にはこれが適量。丁寧に手作りされた野菜たっぷりの定食という感じで、しみじみ美味しく、とても健康的な気分になれる。
お膳2つをどん!と据えられた後はスタッフさんが立ち入ることもないので、マイペースで完食できるのも嬉しい。

夕食後しばし休んだら、再び温泉に浸かりに行く。今度はしたの湯へ。
階段をかなり延々降りて行くので、帰りの登りはちょっとキツイ。でも、途中には椅子が置いてあるので、ひと休みすることもできる。
この階段は昼間でも薄暗く、ミステリアスな感じがなんだか良い。

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入浴後は、すみやかに就寝。

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2泊目の朝食
この季節のフルーツはさくらんぼだった。大粒で美味しい💛

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朝食後は、散歩に出発。
栃尾又は梅雨のシーズンでも割と晴れていたりする。朝目が覚めて「雨だ…」と思っても、次第に晴れることがままある。

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散歩道は来るときにバスで上がってきた道なのだけれど、栃尾又温泉で行き止まりになるため、ほぼ車が通らない。道端の花を眺めたり鳥の姿を探したりしながら、のんびり歩けるところが嬉しい。誰もいないのでマスクを外して、山の香しい空気を思い切り吸い込む!
歩いていたら、向こうから道路の上をテンが走って来た。目があったらピタッと固まって、草むらにゴソゴソと消えていった。
それにしても、7月なのにウグイスとホオジロばかりが囀っているのは変な感じ。
オオルリキビタキの声も聞こえたけれど、姿は見えず。

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以前から気になっていた「大手沢遊歩道」の看板がある横道に入っていったら橋があった。橋の向こうには杉木立が広がり、いかにも野鳥がいそうな雰囲気。でも橋の上が一面の水たまりで、ここに踏み込むのはためらわれる…。また今度、梅雨じゃないシーズンに来てみよう。

宿に戻った後は、午前の入浴→昼ごはん→本など読みつつ寝落ち→夕方の入浴といった感じでゴロゴロ過ごす。昼食は注文すれば出してもらえるけれど、いつもカップヌードルで簡単に済ませてしまう。滞在中は朝も晩も美味しいゴハンをもりもり食べているせいで、おやつもあまり食べない。

【2日目の夕食】
みゆきます刺身、えちごもち豚みそ漬、揚いんげんツナあえ、おかひじきしょうが浸し、おからサラダ、みゆきなす柚子胡椒あえ、ご飯、味噌汁、漬物

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珍しく酒が飲みたい気分だったので、本箱の入口にある飲み物冷蔵庫からクラフトビールを取ってきてみた。独特の香りがあって美味しい♪(久保田スパークリングも魅力的だったけれど、1人で飲むには1本が大きすぎた)

夕食後テレビを見ていたら、新潟の竹所という古民家村が紹介されている番組がやっていて、とても面白かった。いいなぁ、こんなところで暮らしてみたい…と妄想しつつ、今日もすみやかに就寝。

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最終日の朝食
今日は卵焼きだ!ほんのり甘く、出汁巻よりはしっかりしているけどフワッとした絶妙な食感が美味しい。去年泊まった時は2日とも温泉卵だったので、久しぶりに卵焼きを味わえて満足💛
今回はついに滞在中4食ともお櫃のご飯を完食した。

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2泊3日の極楽湯治はあっという間に終わってしまい、後ろ髪を引かれつつ帰路に着く。
でも、最後にもう1つお楽しみが残っていた。
新幹線の浦佐駅がちょっとバージョンアップして、新たに観光案内所がオープンしていたのだけれど、そこでヤミーさんのジェラートが買えるようになっていた♪

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このお店のジェラートは前々から食べてみたかったのだけれど、浦佐駅から30分くらい歩かなければならないため、なかなか機会がなかった。新幹線の待ち時間にジェラートで一服できるのは嬉しい。ミルクの味が美味しく、後味スッキリ。

さらに、この秋ついに2階建て新幹線のMAXが引退するということで、メモリアルグッズコーナーが作られていた。新幹線ホームにも「ありがとう!!! MAX」の看板があり、浦佐駅スタッフの皆さんのMAX愛がひしひしと伝わってくる。
私も新潟に来る時は何度もお世話になった。車体にピンクのトキの絵が描いてあるのも素敵だった。寂しくなるけど、今までありがとう、MAX。

=Memo=
1泊2食つき 16,500 yen(湯治コース)
夕食@部屋、朝食@部屋
Check in 13:00/out 10:30
温泉:ラジウム泉(pH8.4~8.6)
バス代(小出駅栃尾又温泉)420 yen(SUICA等使用不可)